恥ずかしながらワタクシ、モンゴウイカがどんな形をしているか知りませんでした。東京の魚屋で丸のままのモンゴウイカなんて見たこともなかったのです。発泡スチロールの皿に載っているのはきれいな刺し身か炒めもの用の切り身だけでしたから。
そんなわけで、今回魚屋の親父が例によって「来い来い」とヒラヒラとわたしに向かって手を振っていたとき、初めてそのモンゴウイカを見ることになるとは思いもよりませんでした。
「ぎゃ、なにこのグロテスクな生き物は?」
「Cuttlefish(キャトルフィッシュ=モンゴウイカ)だよ。見たことないの?」
「なかった…モンゴウイカって名前は知っていたけれど、スルメイカなんかと同じカタチかと思っていた」
「さばき方は普通のイカと同じだから簡単だよ。ただし背中に大きな骨が入っているけどね。あとはイカスミがイカより多いから飛ばさないようにね」
ナントカなるだろうと買ってきたモンゴウイカ3杯。今回のはパース近郊港町フリーマントルの近海であげられたものらしいです。魚屋の親父が言うには「今回のはちょっと小さめだよ。でも新鮮だし、これが入るのは最近では珍しい」とのこと。
モンゴウイカは普通のイカのように、アタマに三角の部分がないんですね。全体的に丸いカタチをしていました。(わたしはそんな違いさえ知りませんでした…)
さっそくさばき始めて、やっと親父の言った「背中の大きな骨」の意味がわかりました。背中を開くとこんなふうに手のひらサイズのお皿のような甲(フネ)が入っているのです。へえ。
こういう新鮮なものはあまり手を加えずに、たださっと炒めたほうがいいと思います。
甘くてふっくらとした身は肉厚でおいしくて、人知れず笑みがこぼれますから。
そして、そのモンゴウイカは一杯(イカの数え方はイッパイニハイです)全て、身も足もわたしの胃におさまってしまったことをここに付け加えておきます。
材料
- モンゴウイカ 1杯
- 塩コショウ 適宜
- 赤唐辛子(刻んで)半分
- ニンニク 1かけ
- オリーブオイル 大さじ1
- レモン 1切れ
- イタリアンパセリ 適宜
作り方
- モンゴウイカを洗って、まず甲(フネ)を胴体から抜きます。
- それから皮を剥き下処理をしてから、胴体と足に分けて洗います。
- 身に包丁で細かく十文字を入れていきます。炒めているときに身が縮まないようにです。
- 食べやすい大きさに切ります。
- 赤唐辛子とニンニクを刻んで加え、オリーブオイルをたらして混ぜます。
- わたしは外のバーベキューで炒めましたが、フライパンでももちろん大丈夫です。
- さっと炒めて色が変わるくらいで火からおろします。
- 炒めている間にオーブンでローストしたアスパラガスを付け合わせて、レモンを一切れ添えます。
- 刻んだイタリアンパセリを散らします。