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ビックリするほど簡単で美味しい砂肝のコンフィを作ってみない?

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コンフィという言葉も日本では段々と知られるようになってきました。有名なところでは鴨のコンフィですね。
コンフィ(Confit)はフランス語の動詞confire(保存する)から来ていて、元々果物でも肉でもコンフィとなります。果物だったら砂糖漬けがあります。つまり、ジャムなど。そして、これが肉になると油を使って保存食にするのもコンフィです。普通は熱湯消毒した保存食用の瓶などに入れて冷暗所で保存しますが、今ではフランス料理の鴨というと、どうもコンフィが多くなってしまいました。

 

さて、コンフィは何も鴨だけではありません。日本では近所のスーパーで鴨を見つけるのは至難の業ですが、簡単に見つかるものでもコンフィはできます。

 

ということで、今日は友達がやってくるのでいくつか料理をしましたが、その中のひとつ、砂肝のコンフィを紹介することにします。

 

わたしは砂肝が大好きで、こちらでも見つけると必ず買ってしまいますが、実をいうと「砂肝」などの内蔵はペット用の肉売場の隅っこに置いてあります。オーストラリアではイタリア系のひと以外はこれを食べようと思うひとはいないようで、こんな美味しいものを…とわたしはいつも残念に思っています。

 

ペット用の肉売り場に置いてあるだけに、何も下処理を施していないので、ゴミやら脂やらが沢山ついていて、それを切り取って洗わなければならないので、調理するまでに時間がかかるのが悩みです。
日本ではかなり清潔なパックで売っていますから、オーストラリアのように30分ほど格闘しなくてもいいのがありがたいですね。

 

コンフィなどと言うと難しい料理法かと思われがちですが、もうビックリするほど簡単で「料理」というほどのこともなくできてしまいます。
用意するのはル・クルーゼのような厚手の鉄鍋とオリーブオイル。そして、もちろん1キロほどの砂肝と、できればナマのタイムとローズマリー。なければ瓶に入っているドライハーブでもかまいませんが、どちらかというとナマのほうが風味が高いような気がします。そして、塩コショウ。これだけです。

 

 

それから、ローズマリーは鉢植えで簡単に栽培できます。キッチンの窓にちょこんと置いてみてもいいですね。とてもよい香りです。

 

タイムなんかもっと簡単です。ほとんど雑草と言っていいくらい力強いハーブです。

 

 

塩コショウした砂肝は1時間ほど冷蔵庫で寝かせます。1晩置いておいても塩味が染みていいと思います。今回は時間がなかったので、1時間でした。
その砂肝を厚手鍋に入れ、ひたひたになるくらいにオリーブオイルを入れたら、あとはタイムとローズマリーをたっぷり足すだけです。

 

 

火を強火にしてふつふつと言ってきたら弱火にしてフタをし、あとは1時間ほどそのままにしておきます。油の温度はこの時点で100度前後になっていると思います。

 

1時間たってフタを開けてみたら…あのコリコリの砂肝が驚くほど柔らかくなっていて、味は塩コショウだけなのにタイムとローズマリーのよい香りがほんのり。これがコンフィです。

 

このまま熱湯消毒した瓶に入れて、砂肝が出ないくらいにたっぷりとオリーブオイルをいれてぴっちりとフタをすれば、保存食としてかなり長いこと保存できます。フタを開けたら冷蔵庫で保存です。

 

皿に盛ってテーブルに出したらパンも添えましょう。このオリーブオイルがまたハーブと砂肝の味が染みていて美味しいのです。どうぞ、一度お試しください。

 

MEMO

コンフィを作ったあとのオリーブオイルをリサイクル?
…という質問がありましたので、お答えします。

コンフィを作ったあとの油はもちろん使えます。そのまま、同じ油を使ってまたコンフィを作ることもできますし、油でフライドポテトにしたり、何かほかの料理にしたり、いつもの用途にお使いください。完全に「ゼリー状の汁」がない場合(←ちょっと不可能)以外は、冷蔵庫で保存です。かなり長いこと持ちます。なんてったって油ですから。

ただし、また同じようなコンフィを作るとき以外は、「下にたまる汁」を捨ててくださいね。
つまりその油を何かの瓶に入れておくと、油が上に、そして下には肉やハーブから出た「ゼリー状の汁」がたまります。コンフィ以外の料理には油だけをすくいとって使ってください。