おもてなしからひとりゴハンまで簡単レシピはがびのキッチン@オーストラリアで

小麦粉を使わないニューイングランド風クラムチャウダー

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土曜日の買い出しに行ったら、魚屋のオジサンが手を振って「来い来い」と呼んでいます。また何か新鮮なモノが手に入ったのかもしれません。

 

「見てよ、こんな新鮮で大粒のアサリ!」と指差した先には、砕氷の上に大量のアサリがほんの少し口を開けて山のように盛ってありました。西オーストラリアのシャークベイ産だと言うことです。パースから海岸沿いに850キロほど北上した場所にある小さな湾岸です。昔は冷凍モノしか手に入らなかったけれど、このごろでは新鮮なアサリも時々あり、入ったときには魚屋が手を振ってくれるのでいつも楽しみにしています。

 

そして、これを海水程度に塩を入れた冷水に漬けて2時間。

 

砂が吐き出されたころにベーコンを刻み、セロリとオニオンをブツ切りにし、バターで炒めます。柔らかくなったらアサリを入れて水を半カップ注ぎ、火を高温にして蓋をし、かわいそうなアサリが昇天するのを待ちます。ごめんね。
火からおろしたアサリは、このままだと貝殻が多すぎてチャウダーにできないので貝殻から外し、飾り用に幾つか殻付きで取っておきます。

 

先程野菜を煮た鍋に今度は牛乳を750mlぐらい入れ、ベイリーフとタイム(どちらも自宅の庭からむしってきたもの)とサイコロ状に切ったじゃがいもを加えて柔らかくなるまで煮ます。20分くらいかな。

 

さて、普通クラムチャウダーと言うと小麦粉とバターをつかってトロリとさせますが「これだと小麦粉くさくっていけねぇ」と教えてくれたひとがいて、わたしも彼女の真似をしてミキサーでトロリとさせてみることにしました。
バターとベーコンの脂はもちろんスープの上に浮いていて層になっています。こんな具合に。

 

 

そして、これを混ぜ合わせてくれるのが本来の小麦粉の役目です。でも、それなしでミキサーにかけることでこの脂がいい具合に混ざり、しかもふわりとしていて小麦粉のねっとりした舌触りと匂いもないのです。いいことを教えてもらいました。

 

 

出来上がった「スープ」の野菜をアサリを入れたザルの上から加えて濾し、下にたまったスープだけをミキサーにかけます。スープがふわりとなったらミキサーを止めて具と一緒に鍋に戻し、もう一度軽く温めて塩コショウしてオシマイです。おっと、そして温めているときにクリームを半カップほど注ぎます。これでコクも増すので。

 

 

久しぶりに食べたクラムチャウダーですが、小麦粉を使わなかったため本当に軽い舌触り。新鮮なアサリもふっくらとしていて美味しかったです。今度またアサリが手に入ったら酒蒸しにするか、またはトマト味のマンハッタン風クラムチャウダーにするか…食の愉しみは尽きませんね。