おもてなしからひとりゴハンまで簡単レシピはがびのキッチン@オーストラリアで

手作りのアイリッシュクリーム

ベイリーズ(Baileys)というアイリッシュクリームが、わたしは昔から大好きでした。
その濃厚なクリームに強いアイリッシュウィスキーをミックスした味は、舌にほろ苦い甘さを残し、デザートの代わりになると言ってもよいくらいなのです。

自宅にかかしたことのないこのお酒を、実は今回バンコクから帰ってくる際に忘れてしまったことに気がついたのは、先週のことでした。
ちょっと飲みたいなあと思ってキッチンを探したら、出てきたのはほんの一口しか残っていない大きな瓶。ひどく残念だったので、その晩電話をかけてきた友達にこぼしたら、次の日に彼女からEメールが入っていました。
開けてみたら、手作りアイリッシュクリームのレシピ。

「アイルランドの年寄りは皆これを自分で作ります。わたしの母はクリスマスには昔からこれを作っていたから、高価なベイリーズなんて買ったことはありません。それにこのレシピなら、一番安いアイリッシュウィスキーを使っても味はとびきりです。作ってみてね。」

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彼女がひどく貧乏な家に生まれたと、一度聞いたことがあります。
5人兄弟の2番目、オーストラリアへの移民であった叔父一家をたよってパースに渡り、働きながら奨学金をもらって大学を出たのだそうです。
メールには、もう3年も帰ってないから今年のイースターには何とかして里帰りしなくちゃあね、と書かれていました。

意外と簡単なそのレシピに従って作ったアイリッシュクリームは、とてもこってりとしていて本当に「とびきり美味しい本場の味」でした。

暑いオーストラリアとは逆に、厳しい寒さにさらされているアイルランドでは、「どんなに貧乏でもクリスマスはご馳走の晩なのよ」という彼女の言葉どおり、アイリッシュクリームがひとびとの舌を和ませているのかもしれません。